【右の階段の途中】

階段を上って見て初めて、天井がこんなにも高く、そしてその色が黒くなっていることに気づいた
さっきの囲炉裏で焚かれた煙がココまで来て長い間にすすけてしまったのだろうか?


長助 「ははっ、不思議そうに天井を見て折られるのぉ(^_^)
     あんまり天井が黒いので掃除でもサボっとるのかと思っとられんじゃろ?
     その天井こそこの醤油蔵の神様なんじゃよ!
  
     ここで長い間、このレンガの槽に醤油を仕込み続けてきたわけじゃが、そのたんびに
     麹の胞子がこの蔵いっぱいに舞い上がる・・そうして蔵のなかの至る所に住み着く訳なのじゃ。

     これを「蔵つき様」と言っての、この蔵の醤油をいつも変わらぬ山一の味にしてくれるのは
     この「蔵つき様」のお陰ナノじゃ。まぁ天井の黒はその代々の麹菌が死んどらんといえるのう」

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